Safety Nipopon

活動実績紹介

防犯CSR取り組みレポート
人材育成が安全安心な店舗運営と
地域に根ざした活動を支える
日本マクドナルド株式会社
2016年5月26日
本日は、みなさんよくご存じのあのマック(関西ではマクド)の愛称で親しまれている、日本マクドナルド(株)のコーポレートリレーション本部CSR部の河野辺部長様と高崎様にお話を伺いました。
ファストフード店と防犯CSR。いったいどんなことをされているのでしょうか? なんだか不思議でとってもおいしいお話が聞ける気がします!
防犯CSR推進会議レポーター(以下レポーター)

マクドナルドさんは、知らない人はいないくらい世界的にとても有名なハンバーガーフランチャイズチェーンの会社ですね。食品を扱う会社と防犯CSR、ちょっとイメージがわかないのですが、どのような活動に力を入れているのですか?

河野辺

McDonald’s CSR Report 2015が完成したところですので、ご覧いただきながらご説明します。私たち日本マクドナルドでは食を提供する企業として「お客様に安全と安心をご提供する」ということを原点に活動をしています。それを支え会社の成長に欠かせない原動力が「人」です。社会にはありとあらゆる問題がありますが、ステークホルダーの皆さまと一体となって取り組むためにご覧の通り、5つの領域からなるCSR活動を実施しています。

レポーター

5つの領域ですか。具体的にご紹介いただけますか?

河野辺

私たちの社会的責任を「フード、ソーシング、ピープル、コミュニティ、プラネット」の大きく5つのカテゴリーに分けて活動しています。
中でも“人材育成”には特に力を入れています。なぜなら「ピープル」(従業員)を大切にする意識と企業統治が、健全な店舗運営に必要だからです。そして、人材を育成し、地域に根差した活動や地域還元を実践しています。
例えば、モラルや行動規範はもちろん各種法令をしっかりと守ること。また、食の安全に関して言えば、各種ルールや法令に基づいて管理と運用を実直に行うことができる人材の育成こそが、過ちを起こさないということ、そして企業の成長につながると考えています。

レポーター

人の育成と企業の方針がセットになって、マクドナルドさんの成長エンジンになっているということですね。

高崎

そうなんです。食の安全に関すること以外でも、例えば、事故が発生しない作業環境の整備や通勤時の事故防止はもちろん、犯罪に巻き込まれないための教育プログラムもあります。店舗のセキュリティ面からは防犯カメラをカウンターや客席に設置し見守り体制を整備しています。24時間営業の店舗では、夜間に不用意に駐車場に出ないよう指導しています。

【レポーター】

学生時代のコンビニエンストアでのアルバイト時、夜間1人体制でとても怖かったことを思い出しました。万引き犯に遭遇したのですが、注意すべきか迷った経験があります。掃除用のモップを持って犯人に近づき注意したところ、素直に認めたのですぐに警察に通報したのですが、今では1人で担当することなどは考えられないですよね?

【高崎】

そうですね、そのような際もお客様やスタッフの安全を守る意味においても、店舗マネージャーを含め必ず3人以上が出勤することになっています。さらに新規店舗のグランドオープン時は、近隣の警察署などへのご挨拶も欠かさずにしているので、万一の時には安心できます。

【河野辺】

実はこうした活動のすべてにそれぞれマニュアルがあるのですが、マニュアルはあくまでもテキストであって、ガイドラインでしかありません。それを理解して実践し、現場で判断できる人を育てていくことこそがスタッフやお客様の安全安心につながっているのだと考えています。

レポーター

自分の子供もアルバイトをさせたくなりました(笑)。特に、教育体制が素晴らしいですね。
食の安全への配慮についてはいかがですか?

高崎

当社の食の品質・安全基準には、まずマクドナルドの世界規格があります。そして、日本国内の衛生関連法規を守り、さらに日本マクドナルドの補足基準を重ねて実施して、常に品質と安全を追求しています。
先ほどの人材育成にも関連しますが、全国約2900店舗でアルバイトさんはおよそ12万人、お客様も年間延べ10億人ご来店いただいております。店舗あたりの人員は2名〜4名が正社員で、他は地域のアルバイトの方々が支えてくれています。例えば、高校生や大学生であれば職場や社会を学ぶことができる貴重な機会となることはもちろん、食の安全を学ぶこともできます。仕事を通じて人として成長できるプログラムであることを重要視しており、仲間とのコミュニケーションやあいさつは当然のことですが、学生時代にありがちな個人の感情に流されて好き嫌いで物事を判断するのではなく、社会人としてマクドナルドの仲間としての立ち居振る舞いを学んでいくのです。
こうした取り組みの中核にハンバーガー大学というものがあり、マネジメントカリキュラムなどを通して成長できる仕組みがあることも特徴的です。
大学生のアルバイトさんなら、いわばインターンシップというところでしょうか。

【レポーター】

確かに、“企業は人なり”といいますから、それを根気強くしかも創業当初から実践されていることは着眼点が素晴らしいと感じました。

【高崎】

アルバイトさんでも役職ランクが上がることで、店舗をお任せすることもありますし、マネジメントやチームビルディング、コミュニケーションスキルなど当社独自のプログラムで勉強するなかで自身もどんどん成長できます。大人の社会環境を体験していただきながら、成長を促す仕組みがあるのです。

レポーター

防犯関連の活動も大変活発と聞いておりますが、いかがですか?

河野辺

はい、コミュニティ活動の一環として教育委員会や警察本部などと協力して、全国の新入学児童を対象に防犯笛を配布させていただいております。2003年からこれまでに約793万個以上、今年は約86万個ほど配布させていただきました。 その他、東京都と中日本地区の約1100店舗で「子供110番の家 マクドナルド共通ステッカー」を掲出したり、警視庁と防犯活動に関する覚書を締結するなど積極的に活動をしています。

さらに、ドナルドの交通安全教室、防犯教室などを全国の幼稚園・保育園・小学校で昨年は1096カ所で実施するなど活発に実施しています。また京都府警察本部と連携し地域安全防犯運動を実施したり、山形警察本部と連携し山形県内19店舗で防犯ボランティアの方々に客席をミーティングや休憩スペースとして利用いただき、一部メニューを特別価格でご提供するなど、全国各地で店舗独自の防犯CSR活動を行っています。

取材を終えて

日本マクドナルドさんは国内でもさきがけのファストフード店ですが、全国各地に根差し、約2900店で同じように安全安心のスマイルを提供できている秘密が分かったような気がしました。
これからも事業活動すべてにおいて、防犯CSRの実践をされることと思います。
ちょうど12時を回ったころなので、近くのマックでビッグマックをいただいて帰ります。
本日はご多用のところありがとうございました。